移動黒板で群読「ふたり読み」

 移動黒板で群読「ふたり読み」_b0030219_3511290.jpg有田和正・古川光弘・教材・授業開発研究所 編著
『授業力の開発4 調べ活動のツールは、こう活用する!』
が刊行された。


 古川先生にお誘いを戴き、掲載戴くことになった拙文の一部を紹介する。

 教室の隣が少人数指導教室になっている。そこに普段誰も使っていない移動式黒板があった。これでは税金の無駄と思い、子どもが通る通路に引っ張り出し、群読の本から次を選び、書き込んだ。

   ないないづくし     谷川 俊太郎
 
 12 ないないづくしをもうしましょう
  1 まるには ひとつも
  2 かどがない
  1 えんしゅうりつは
  2 きりがない
  1 かびたまんじゅう
  2 もったいない
    ……〔後略〕……


 この詩の前に「ふたりで読んでみよう!」と書き添え、教室の通路へ置いたところ、休み時間に通りかかった子どもが、「これ、何ですか?」と尋ねてくれた。
 一人の子とジャンケンし、「先生が1を読むから、君は2ね」と、テンポ良く交替で読み始めた。まわりで見ていた子が笑い出したので、周りの子も誘い二手に分かれて音読した。翌日も、立ち止まって読んでくれる子が増え、気付いてくれた先生方からも好評で嬉しくなった。
 子どもたちは、「何だろう?」と思い読んでいくうちに笑い出し、群読の表現の楽しさに自然に気付くようだ。
 つかみはOKだったので、週末の放課後、次の作品を裏側へ書き込んだ。


   きのうのあしたはなんだっけ  田辺 宏明

  1 きのうのあしたはなんだっけ
  2 きのうのあしたはきょうである
  1 あしたのきのうはなんだっけ
  2 あしたのきのうはきょうである
   ……〔後略〕……


移動黒板で群読「ふたり読み」_b0030219_3562016.jpg

  「☆読めたらすごい!」と下記も加えた。
  土 一昨昨日
  日 一 昨 日
  月 昨  日
  火=今  日
  水 明  日
  木 明 後 日
  金 明明後日
  土 弥明後日


 連休明けの火曜日。通路に子どもたちが集まり、ふたり組になって群読を楽しんでいた。「何て読むんだ?」と、漢字の読み方を考えている子もいて、心なしか移動式黒板も喜んでいるように思えた。

<引用文献>
◇家本芳郎編・脚色『群読ふたり読みーふたりで読めば、なお楽しー』高文研、2003
◇日本群読教育の会企画『群読実践シリーズ ふたり読み』高文研、2005
by ryomonet | 2007-04-20 12:00 | Trackback

野口芳宏先生公認「授業道場野口塾」公式blog/野口塾群馬事務局(ryomonet@gmail.com)


by 画像=野口芳宏先生/管理人=塚田直樹
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