移動黒板で群読「ふたり読み」
2007年 04月 20日
『授業力の開発4 調べ活動のツールは、こう活用する!』
が刊行された。
古川先生にお誘いを戴き、掲載戴くことになった拙文の一部を紹介する。
教室の隣が少人数指導教室になっている。そこに普段誰も使っていない移動式黒板があった。これでは税金の無駄と思い、子どもが通る通路に引っ張り出し、群読の本から次を選び、書き込んだ。
ないないづくし 谷川 俊太郎
12 ないないづくしをもうしましょう
1 まるには ひとつも
2 かどがない
1 えんしゅうりつは
2 きりがない
1 かびたまんじゅう
2 もったいない
……〔後略〕……
この詩の前に「ふたりで読んでみよう!」と書き添え、教室の通路へ置いたところ、休み時間に通りかかった子どもが、「これ、何ですか?」と尋ねてくれた。
一人の子とジャンケンし、「先生が1を読むから、君は2ね」と、テンポ良く交替で読み始めた。まわりで見ていた子が笑い出したので、周りの子も誘い二手に分かれて音読した。翌日も、立ち止まって読んでくれる子が増え、気付いてくれた先生方からも好評で嬉しくなった。
子どもたちは、「何だろう?」と思い読んでいくうちに笑い出し、群読の表現の楽しさに自然に気付くようだ。
つかみはOKだったので、週末の放課後、次の作品を裏側へ書き込んだ。
きのうのあしたはなんだっけ 田辺 宏明
1 きのうのあしたはなんだっけ
2 きのうのあしたはきょうである
1 あしたのきのうはなんだっけ
2 あしたのきのうはきょうである
……〔後略〕……
「☆読めたらすごい!」と下記も加えた。
土 一昨昨日
日 一 昨 日
月 昨 日
火=今 日
水 明 日
木 明 後 日
金 明明後日
土 弥明後日
連休明けの火曜日。通路に子どもたちが集まり、ふたり組になって群読を楽しんでいた。「何て読むんだ?」と、漢字の読み方を考えている子もいて、心なしか移動式黒板も喜んでいるように思えた。
<引用文献>
◇家本芳郎編・脚色『群読ふたり読みーふたりで読めば、なお楽しー』高文研、2003
◇日本群読教育の会企画『群読実践シリーズ ふたり読み』高文研、2005